「HEART ~ハート~」 狂おしいまでの家族への愛
どうも。
今日はイギリス映画です。
「ハート」です。
僕らの世代だとハートと聞くとハート様を思い浮かべる方がいると思いますが全くの無関係です。
さて、簡単な内容は・・・
17歳の若者、ショーンはある日交通事故で命を失った。
そのショーンがドナーカードを持っていたため母親のマリアはその心臓を提供することにする。
その心臓を移植されたのはゲリーだった。
ゲリーは妻、テスの浮気に悩まされ些細な口論の末に発作を起こし、心臓を悪くしていたのだ。
心臓移植は成功し、いざこざの原因である夫婦生活もうまくいくようになる。が、未だテスを信じ切れず、また、移植後行動が粗暴になっていくゲリーは原因が心臓提供者にあるのではないかと思い、マリアに近付いて行く。
一方マリアは突然現れたゲリーに対し、ショーンがゲリーの体内で生きているような妄想を抱くようになる。
出会ってしまった人々はその心臓に導かれるように運命の渦に飲まれていく・・・
と、いった感じでしょうか?
まず、ジャケットの写真に騙されてはいけません。
パッと見ホラーみたいな感じですが、全然違います。
中身は「21g」のような重厚な人間ドラマです。
ちょっとサイコちっくなところもありますが、現実に照らし合わせて見るとそうなるのではないかと思います。
愛するがゆえに心臓=体の一部でも良いからこの世で生きていてほしいと願う母親の愛。
愛するがゆえに妻を縛り付けることしか出来なくなる夫の愛。
この作品には突然降りかかった”死”によって愛を狂気にまで高めてしまった人々の姿が描かれています。
ラスト、一人蚊帳の外、と言うか知らん振りだった人物の迎える結末は、それまで描かれてきた人物達の心情を考えると当然のように感じられます。
決してその愛は許されるものではありませんが、本人にしてみればその愛は至極当然なのかもしれません。
色々と考えさせる作品です。興味のある方、どうぞご覧になってください。
参考
同じ心臓移植に関する物語です。